自分でこっそり勉強しつつ仕事をすすめることは、かつての認知に基づくもので心理的抵抗感が無いため「感情的な好ましさ」は5です。しかしそれでは膨大な時間と労力がかかってしまうので「時間・労力」は-5としました。一方で新たな認知に基づいて、「素直に上司に聞く」を選択した時、新しい認知へ挑戦する不安や恐れが生じるので「感情的好ましさ」に-3をつけました。

しかし上司に聞くことよって問題の速やかな解決がきますので「解決度」は5です。加えて時間や労力を使うことはないので「時間・労力」も5点です。よって総合点から判断すると現実的に合理的なものは「素直に上司に聞く」であることがわかります。この表からわかってくることは自分のポリシーや感情面を優先すると現実面で不必要な労力を使うことがあることです。

アクションプランを立てる

行動選択シートを使用して「わからないことは上司に聞く」ことが最も現実的、合理的な選択肢であることがわかりました。この選択はかつての認知では「自分がダメな部下だと思われる」ことを恐れ、回避してきた行動です。「部下は世話が焼かれるぐらいがちょうどいい」という新たな認知に従い実際に行動してみることで実際にどんな結果が生じるのか予測を立て行動してみましょう。行動によってマイナスの結果が生じるかもしれません、マイナスの結果の予測も立て。その際の対処を書いておくと安心でしょう。

アクションプラン

具体的な行動計画
自分で問題を解決するのが困難な為明日の10時に上司のデスクにいって不明点な箇所を口頭で質問する

新たな認知
上司の前で常に優秀な部下である必要がないむしろ部下は世話を焼かれるぐらいがちょうどいい。だから分からないことは素直に聞こう

結果の予測・対処

1. 優しく仕事を教えてもらえる
2. 今は忙しいから、他の時間にしてくれと言われる
対処⇒また午後にお願いできませんでしょうかと聞く
3. そんな簡単なことは自分で考えろと言われる
対処⇒ひるまず、自分の勉強不足を謝り、教えを請う

行動の結果・新たな認知の確信度

そんな簡単なことは自分考えろと言われたが、強くお願いしたら仕事を教えてくれた。

新たな認知の確信度→70%

きつめに怒られはしたが最終的には仕事を教えてもらえた。優秀な部下でないからといってすぐに見捨てられるわけではなかった。ダメな部下でも仕事はさせてもらえる。
→100%に近づくまでアクションを修正する

アクションプランの実行後はその結果を別の欄に書き込みます。望ましい結果が得られればその行動を繰り返し、習慣にしていきましょう。もちろん100%の確信に至らないことや望ましい結果が得られない場合もあります。その場合はプランの修正し別のアクションプランを立てて見ましょう。

その行動は難易度が高すぎではないか、アクションプランが問題となっている認知に直接繋がりはあるか、プランの内容はより具体的かを見直してみましょう。

ポイント
・5W1Hは明確か(いつ、どこで、だれか、なぜ、どうやって)を明確にする。
・ハードルをあげすぎない。
・結果や、予測の対処をなるべく沢山書き出す。マイナスの結果が生じた時の対処も書く。
・起こりうる最悪の事態も記載する。
・行動に移す前にアクション場面のイメージトレーニングを行う。

まとめ

今回は前回のコラム法で見つけ出した、新たな認知が本当に現実的であるか検証し、より確証に近づけるためのトレーニング方法を紹介しました。実際に行動をしてゆく中で新たな自動思考が浮かんできてしまう場合、以前の自動思考と共通のスキーマーがあるかもしれません。次回は自動思考よりより深い部分にある「スキーマー」に焦点をあてます。

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