発達障害児の「ラン活」どんなランドセルが良い?障害児用もある?


「ラン活」という言葉をご存知ですか。
小学校に上がる子どもたちのランドセルを買うために早くから良い物を探したり、早めに買ったりする活動です。
先般、NHKのニュースでも紹介されていましたが、こんな言葉がささやかれるくらいランドセルのマーケットは良い物探しでホットになっているようです。
かつては、入学前の3月がセールのピークだったのに、いまでは入学前年の夏場になっています。のんびり構えていると、気に入るようなランドセルが品薄になっているということにもなりかねません。

目次

昨今のランドセルマーケット

少子高齢化でここぞとばかりに

少子高齢化で、子どもの数が減ってきています。
それだけに、一生に一度のことだからと、ランドセルの予算をはずむ両親が増えているのも当然かもしれません。
加えて、高齢化で懐の豊かなおじーちゃん、おばーちゃんが増え、可愛い孫のためなら、ここぞとばかりに値の張ったランドセルを買ってあげるわけです。

ボリュームゾーンは4万円~6.5万円

グラフで明らかなように、ボリュームゾーンは4万円~6.5万円で、全体の7割がこの金額帯に収まっています。
一方で、値段に魅かれて3万円台のランドセルを求める人も少なくなく、一方で9万円台の高級品志向もうかがえます。

ランドセル・セールのピークは夏場に
参考までに、業界で言われている今年のランドセル・セールのスケジュールは紹介しておきましょう。

<4月〜5月:新作発表からお披露目の時期>
4月〜5月に各メーカーは新作を発表。同時に百貨店や量販店などではお披露目のための展示会などが始まりますから、カタログなどの取り寄せもできます。気の早い人は、この時期から「ラン活」のスタートです。

<6月〜9月:予約を開始>
6月頃からは先行予約などを開始。人気商品や限定モデルなどは続々と予約が埋まっていきそうです。
気に入ったものがあったら、この時期に予約をしておくと一安心です。
夏休みやお盆の時期には、おじーちゃん、おばーちゃんが子どもをつれてデパートや量販店で、子どもの体型ななどを考えて、ランドセルを「試着」する光景が見られることでしょう。

<10月〜11月:人気商品・限定モデルはほぼ完売>
売れ筋のモノが欲しかったら、早めに予約しておきましょう。

<12月〜3月:売れ残りの値引き開始>
この時期になるとおおよそ人気や売れ筋のランドセルはほとんど残っていないはずです。売れ残りの値引きが販売も行われる時期ですから、費用を安く抑えたいという人はこの時期は狙い目です。

ランドセル選びのポイント

多種多様なランドセル

ランドセル売り場では、実に多種多様なランドセルが展示してあり、選ぶのに迷います。
素材や見栄えの良さばかりではなく、機能面や子どもの身体へフィットするかどうか、さらに大きさ、安全性なども考えなければなりません。
そこで、ランドセル選びのポイントを表にまとめてみました。

●ランドセル選びのポイント

 

 

素材

・クラリーノ(1.1㎏前後)。軽くて、汚れに強く、手入れが簡単なのが人工皮革であるクラリーノ特色です。
・牛革(1.3㎏前後)。昔から使用されているランドセルの素材です。丈夫で型崩れしにくく、使い込むと風合いがでてきます。
・コードバン(1.3㎏前後)。コードバンは馬のお尻の革。上品な艶があり、牛革よりも硬いので耐久性は抜群で、素材の中で最高級品です。ただ、傷がつくと目立ちやすいのが玉に傷です。
背負いやすさ 体感重量に影響を与えるのが「肩ベルトの形状」と「背中クッション」。
この部分の素材と形状が子どもの身体にフィットしているかどうか試してみましょう。個々の出来具合がフィットすると重いランドセルも軽く感じられます。各メーカーが工夫を凝らして機能をアピールしているところです。
デザインと色 男の子は黒を主体にブルー系のアクセントカラーに人気があります。女の子の場合は、ワインレッドやローズピンクといった赤系統です。
このほか、深い緑色も良く選ばれる傾向にあります。
デザイン的には、肩ベルトやカブセに刺繍が入ったものが人気ですが、刺繍を施すと革の耐久性や防水性を落とす事につながるので、ワンポイント程度に抑えたものを選んでおくのが無難でしょう。
サイズ 教科書やノートを収めるに必要なA4フラットファイル対応のモデルがほとんどです。教科書の厚みが増えてきているので、従来のものより、内寸が広めになってきています。なお、A4フラットファイルの使用の有無は学区によって違うので、学校説明会で確認してみるといいでしょう。
安全性 夕方の下校時に子ども存在を車に知らせる「反射ベルト」や「反射ビョウ」をチェックしておきましょう。また、給食袋をさげる「安全フック(ナスカン)」や、防犯ブザーを取り付ける「Dカン」の配置もチェックしておきましょう。

6年間使うことを前提に・・・。

ランドセル選びのポイントを列挙しましたが、もう一つ忘れてならないのは、基本的にランドセルは6年間使い続けるということです。
子どもの身体へのフィット感は、これからの子どもの成長をイメージして選ぶことが重要です。

どこで、いつごろ買うか

デパート、量販店、通販の3つのルートがあります。
安さ重視なら、クラリーノ製で量販店のポイント割引などを検討しましょう。
質と見栄えを重視するなら工房系のランドセルということになります。

先に述べたように購買時期は、入学前年の夏がピークですが、この頃になると、週末のランドセル売り場は大変混み合っていて、じっくりと店員と相談しながら選ぶというのがなかなかできません。
平日に時間を取って、子ども連れで店に行き、先に述べたポイントにそって、じっくりと選んでください。

発達障害の子供のランドセル選び

軽さを重視

発達障害の子供は、筋力が弱い傾向があります。
また、学校で頑張りすぎて疲れやすい子が多い。
加えて、忘れ物をしないために、全教科の教科書ノートを毎日持って行く子が少なくありません。
発達障害の子にとって軽いランドセルが何よりです。
そこで、素材は牛革(本革)ではなく、クラリーノ(人工皮革)製の軽いタイプがお勧めです。

丈夫で長持ち

ADHDの傾向がある発達障害の男の子などは、モノを乱暴に扱いがちです。ランドセルも例外ではありませんから、頑丈で長持ちするランドセルを選ぶべきでしょう。
また、物へのこだわりが強い発達障害の子どもにとって、お気に入りのランドセルが壊れることはとてもショックなことです。
できれば、安価なランドセルではなく、6年保証付きで耐久性の高い丈夫なものがおすすめです。

ワンタッチロック

発達障害の子供は指先が不器用なことが多いため、ランドセルを閉める部分の金具がワンタッチで閉まるタイプがいいでしょう。
1人でも閉められるように、入学前に練習もしておきましょう。

おすすめのランドセル

参考までに、丈夫で長持ちするランドセルをピックアップして表にまとめてみました。

●おすすめのランドセル

ふわりぃシリーズ 990グラムの軽いランドセルもあります。ふわりぃでは、障害のある子どもオーダーメイドができ、指先が不器用だったり、力が弱い子ども楽に扱えるフックやファスナー引き手など、子どもの特徴に合わせて細かくカスタマイズすることができます。オーダーメイドの価格は¥40,000前後と、市販のランドセルとそれほど変わりません。

天使のはねシリーズ 肩ベルトの付け根部分に「はね」が内臓されているのが特徴です。肩ベルトが一定の角度で立ちあがることで肩にかかる重さが分散されるため、体感重量が軽く感じます。

フィットちゃんシリーズ 約170種類と圧倒的に豊富な種類の中から、お気に入りのランドセルを選べます。天使のはねと比較して、肩ベルトに芯材は使っておらず、背当ての通気性などフィットちゃん独自の工夫が特徴的です。

特別支援学校に通う場合

特別支援学校では、ランドセルなしで通うケースが多いので、まず、支援学校に通わせるか普通学校に通わせるか決め兼ねている人は、早めに学校と相談し、実情を把握するのが先決です。

親が試されるラン活

親はコレがいいと選んだランドセルでも、子どもはアレがいいと言い張ることがあります。子どもの好みをハナから無視するのも考えものですが、子どもの言いなりになるのも感心できません。
大切なことは、子どもの気持ちを十分に考慮したうえで、親が良いと判断した基準を子どもに納得させることです。
ラン活から、子どもの家庭教育が始まるといってもいいでしょう。