精神科デイケアってどんなところ?効果や料金など気になる疑問まとめ

デイケアとは、病院、診療所、老人保健施設などで実施されている日帰りの治療を含むリハビリテーションサービスです。精神科の病院やクリニックにもデイケアがあり、多くの人が利用しています。今回は精神科デイケアの具体的な内容と費用について紹介します。

精神科のデイケアとは

デイケアは、精神障害者が社会で生きて行くために必要な生活能力の回復を目的として個々の患者さんに応じたプログラムに沿ってグループごとに治療する施設です。

社会生活機能の回復が目的

社会生活を営む上で必要な能力、とくにコミュニケーション能力や集団活動をプログラムに参加したりすることを通して、社会生活能力の回復を目指します。

対象となるのは、以下のような患者さんです。

1)精神疾患を持ち、精神科病院や心療内科で通院治療をしている人。
2)精神疾患を抱えながら、地域社会で生活を営んでいる人。
3)デイケア利用を本人が希望し、主治医の同意を得ている人。
4)まだ入院中だが、退院が大体決まっており、そのリハビリのために参加したい人。または、主治医に勧められて同意した人。

デイケアの種類

デイケアは、サービス(治療)を受ける時間に応じて以下のように区分されています。デイケアの始まりの時刻については、10時開始のところもあります。

ショートケア3時間(食事なし)
デイケア9時~13時(6時間・食事つき)
ナイトケア16時~(4時間・食事つき)
デイナイトケア9時~19時(10時間・2食つき)

デイケアのメリットその1 再発防止になる

精神疾患の多くは、常に再発のリスクを背負っています。再発の引き金になるのは、ストレス環境です。

デイケアは、患者さんをストレスから守り、安心できる居場所を提供し、ゆっくりと社会生活能力の回復を目指す施設です。

デイケアのメリットその2 医師、看護師、作業療法士などがいる

精神科デイケアには、精神科医をはじめ、保健師、看護師、作業療法士(OT)などの医療関係者が配置されています。

大規模デイケア(50~70人)を実施しているある精神科病院のケースでは、週に1回、精神科医師の診察が行われています。

定期的に精神科デイケアに参加していると、医師はもとより、看護師やOTなどの専門の医療関係者に見守られているので、患者さんの不安も少なくなりますし、病気が再発しそうな時の早期発見にも繋がります。

デイケアのメリットその3 良い生活リズムが保たれる

先にデイケアは再発防止のメリットがあること述べましたが、そのメリットを生み出している最大のポイントは、良い生活のリズムが保たれるということです。

精神科デイケアに定期的に参加するようになると、同じ時間帯に同じ場所に出かけることになります。デイケアの時間帯は、大体、朝の9時から3時までです。

このようにデイケアの時間に合わせて通うことで、一定の生活のリズムができ、それが精神の安定につながります。統合失調症の人は、自宅にこもりがちになり、昼と夜が逆転したような生活になり、生活のリズムも乱れてきます。これが症状の悪化にも繋がっていきます。デイケアに通うと生活のリズムの悪循環が断ち切れるのです。

デイケアのメリットその4 ステップアップ

このほかデイケアには、つぎのようなメリットがあります。デイケアは、利用しているグループ・メンバーとの交流を通した対人コミュニケーションの訓練の場でもあります。

こうした訓練を積むことで社会生活を営む上でのスキルが身に付き、就労支援にステップアップして、社会復帰への道もひらけます。

デイケアのメリットその5 家族の負担が軽くなる

家族の負担が減るということも大きなメリットです。家族の中に統合失調症やその他の精神疾患の患者さんを抱えていると、目が離せませんし、そのサポートも物心両面でかなりの負担になります。

当人の振る舞いが病気だと分かっていても、毎日顔をあわせているとストレスが溜まってきて、家族関係が悪化してしまうことも珍しくありません。

患者さんが定期的に一定の時間、家から離れて精神科デイケアに通うことは、家族の負担の軽減につながり、結果として家族にも気持ちの余裕が生まれ、「今までよりも優しく接することが出来るようになった」というメリットをもたらすことにもなります。

統合失調症の人が多い傾向がある

ある精神科病院の大規模デイケアルームを見学すると、患者さんたちのあるグループは卓球に興じ、あるグループは将棋やマージャンなどをやっています。ところが、このデイケアに通っている患者さんの大半は統合失調症の患者さんです。

一般の人が統合失調症という言葉で連想するような雰囲気とは異なる和やかなもので、デイケアの効果を見る思いです。

下記のグラフは、厚労省の資料から引用したものですが、デイケアに通ってリハビリ(治療)に取り組んでいる患者さんの72%が統合失調症の患者さんです。また、年齢別に見ると、40歳以上65歳未満が54%、20歳以上45歳未満が34%となっています。

様子見をしてからでいい

デイケアを始める前に、通所予定候補のデイケアを回って、見学することをお勧めします。料金等については、どこも同じようなものですが、デイケアの運営方法や雰囲気はかなり異なっています。

デイケアに通う本人に同行し、本人の病状にマッチしているかどうか確認することが重要です。

精神科デイケアの内容

デイケアでは、ゲーム、散歩、軽いストレッチ、栄養教室などのさまざまなプログラムが組まれています。これらは、広い意味での治療の一環として実施されています。

デイケアの一日

デイケア(6時間)の時間割やそこで実施されるプログラムはさまざまですが、一般的なケースでいえば、大体、朝の9時からデイケアが始まり、3時ごろに終わります。10時開始の場合は、午後4時に終了です。

まず、朝のミーティングを行われ、今日の予定を確認したり、何かイベントがある場合は係を決めたり、その進行具合を報告したりして、午前のプログラムが始まります。プログラムは曜日によって様々です。

栄養や音楽(カラオケ)の教室のようなものから、習字、カードゲーム、散歩、ヨガ、輪投げ、風船バレーなどのスポーツ、箱折りなどの軽作業などが実施されています。12時ごろになると約1時間の昼食・休憩です。昼食のあと、午後のプログラムが始まり、15時~16時ごろになると終了です。

参考まで、あるデイケアの1週間のプログラムを表にまとめてみました。

■ある精神科デイケアの1週間のプログラム

 午前午後
輪投げ塗り絵/認知リハ
缶ジェンガ社会復帰プログラム/音楽イントロクイズ
ストレッチ習字/認知リハ
喫茶準備社会復帰プログラム/喫茶
来週のプログラム決め/血圧・体重測定風船バレー
自主活動自主活動

創作活動やイベントも

日常のプログラムの中には、工作・ペーパークラフト・小物作りなどの創作活動もあります。

また、正月、七夕、クリスマスなどには、係りを決めて、部屋に飾りつけをしたり、露店を出すなどのイベントが催されます。

デイケアの費用

デイケアには保険が適用されます。保健は診療報酬の3割負担ですが、自立支援医療制度を利用すると1割負担に軽減されます。

保険が適用される

デイケアは治療の一環という位置づけですから、病院の診察と同じく各種健康保険が適応されます。料金は保険点数によって算定されます。

ちなみに平成26年度の精神科デイケアの保険点数は、以下のようになっています。保険点数の1点で10円の計算です。

●小規模なもの:640点(利用1年以上は590点)
●大規模なもの:750点(利用1年以上は700点)

一日当たり1920円~2250円

上記の保険点数に10円を掛けた額が1日あたりの料金ということになります。従って、小規模(利用者30人以下)、大規模デイケアの1日当たりの料金以下のようになります。

●小規模デイケア:(640点×10円)×0.3(3割負担=1920円
●大規模デイケア:(750点×10円)×0.3(3割負担)=2250円

自立支援医療制度を利用すると1割負担に

精神科のデイケアには、自立支援医療制度というのが設けられています。この医療制度を利用すると、自己負担額は1割に減額されます。

自立支援医療制度の対象となるのは以下のような人たちです。

●統合失調症
●うつ病、躁うつ病などの気分障害
●不安障害
●薬物などの精神作用物質による急性中毒又はその依存症
●知的障害
●強迫性人格障害など「精神病質」
●てんかん

自立支援には上限額が設けられている

また、1割の負担が過大なものとならないよう、1か月当たりの負担には所得に応じて上限を設けられています。たとえば、市町村民税非課税で本人所得が80万円以下なら、上限額は5000円(月額)です。市町村民税額(所得割)23万5000円以上の「一定の所得以上」でも、上限額は2万円です。

参考までに、大規模(利用者50人以上)デイケアの一日当たりの料金を表にまとめました。ただし、このケースでは、再診の保険点数72点が含まれていますから、上記の料金より幾分高くなっています。

■デイケアの1日あたりの料金(目安・四捨五入)

 1割負担3割負担
デイケア(1年未満)820円2460円
デイケア(1年以上)770円2310円
デイナイトケア(1年未満)1120円3360円
デイナイトケア(1年以上)1070円3210円
ショートケア(1年未満)430円129円
ショートケア(1年以上)370円1110円

社会生活に復帰したケースも

デイケアのメリットは既に述べた通りですが、忘れてならないことは、利用者のうち何人かの患者さんは、社会に復帰し、就労しているということです。

精神疾患で悩んでいる方、あるいは家族の中に精神疾患のために引きこもり状態になっている方を抱えている方は、一度、デイケアを訪ね、実際の様子を見学されてはどうでしょうか。

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