認知症 その症状や原因、対応方法は?

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超高齢化社会を迎えた日本において、認知症はどうしても考えなくてはならない事柄です。精神的な問題がなくても、年を取ればなる人はなってしまいますし、多くの場合で認知症による記憶障害は進行を遅らせることはできても治療することはできません。

しかし、認知症の症状には、症状の中心であり、記憶障害などの基本的に治すことができない「中核症状」がある一方で、中核症状がもとになって引き起こされており、治療、ケアでの改善が期待できる「周辺症状」もあります。認知症の方への正しい対応をまわりの人がすることで、こういった認知症の症状の一部は抑えることも可能です。

また、認知症といっても実際に身体におこっていること、つまり認知症の原因は、アルツハイマー病や脳の血管障害など様々なことが考えられ、それによって治療法やその効果も変わってくるため、認知症について正しく理解しておくことも必要です。

認知症の症状

認知症の症状は「中核症状」と「周辺症状」(行動・心理症状、BPSD)に分けられます。

「中核症状」
記憶障害 直前のことも思い出せなくなったりする
・見当識障害 今の状況が分からなくなる
・失語 読み書き等に障害が出て思うようにできなくなる 平仮名だけ書けなくなるようなこともある
・失認 感覚器官は正常だが、見たり聞いたりしたものに対して正しい認識を行えなくなる
・失行 体は動くが行動をしっかりとできなくなる 服の着方や歯磨きのやり方がわからなくなることもある
・判断力、注意力が低下する

中核症状は認知症の人なら誰にでも起こる症状であり、一時的に症状をいくらか抑える、もしくは進行を遅らせることはできても、症状をなくすことは基本的にはできません。

 

「周辺症状」(行動・心理症状、BPSD)
・物盗られ妄想・睡眠障害・暴力・暴言
・介護拒否・徘徊・幻覚・失禁・弄便・うつ など

これらの周辺症状は、中核症状と本人の性格や環境が影響して起こるもので、個人差があるため、だれにでも起こる症状ではありません。
周辺症状は中核症状によって正しく現実を認識できない状態になった方が、それでもその状態に対応しようとした結果などとして起こるので、不安を取り除くなど、ケアの仕方によっては症状が改善することも期待できます。

認知症では基本的にこれらの症状が出ますが、認知症の原因が様々であるように、症状の細かい傾向や進行の速さなども様々なので、どういう症状があらわれるかは一概に言えるものではありません。

認知症の原因

認知症にはいくつもの種類がありますが、その中でも以下の三つのタイプの認知症はかなりの割合を占めています。

・アルツハイマー型認知症
・脳血管性認知症
・レビー小体型認知症

アルツハイマー型認知症は、最も多いタイプの認知症で、認知症の半分はこのタイプであるとされています。脳が委縮していく病気で、原因が完全に解明されているわけではありませんが、加齢や遺伝、生活習慣が要因となっているといわれています。発症者は多くが高齢者ですが、まれに若年性アルツハイマーとして若い年代の人にも発症します。

脳血管性認知症は、脳梗塞や脳出血といった脳の血管のトラブルにより脳機能が低下して起きる認知症です。生活習慣病や加齢などといった、脳梗塞などの脳の血管のトラブルを引き起こす要因が、そのまま脳血管性認知症の原因になります。

レビー小体型認知症は、レビー小体と呼ばれるたんぱく質が脳の神経細胞を減らしていく病気です。なぜそういったことが起こるのかは詳しくはわかっていませんが、高齢者の発症が多いということはわかっています。また、症状としては幻視がよくあらわれるのが特徴的です。

これら三つのタイプ以外にも感染やアルコール、その他の病気が原因となる認知症などがあり、複数のタイプの認知症を同時に発症することもあります。

原因がはっきりとわかっているものもあれば、よくわかっていないものもありますが、全体的な傾向として高齢者の方が認知症を発症しやすくなっています。

認知症の対応、治療方法

認知症は基本的には完治できません。そのため、予防や早期の発見と治療が重要になります。
最も多いアルツハイマー型認知症では、症状が治っていくことはなく、悪化していく一方であるとされていますが、リハビリや薬による治療を行うことで症状の進行を抑えることににつながるといわれています。
また、専門家の治療だけでなく家族などの周りの人のケアも重要になります。

記憶障害などの中核症状があらわれると、脳の認知能力と現実との間にギャップが生じ、不信感や不安感、混乱や怒り、苦しみなどを認知症の人が感じるようになります。そしてその感情がしばしば周辺症状に発展していきます。そのため、周囲の人が適切なケアをし、不安感や不信感、その他の負の感情を認知症の人に抱え込ませないようにすることで、周辺症状の改善が期待できます。

また、認知症も原因によっては手術などによる治療や完治が可能なので、「認知症」とひとくくりにして考えるのではなく、しっかりとした検査等によって原因を知っておくことが重要です。