障害者雇用促進法とは?目的や法定雇用率など解説

平成30年4月1日より、障害者雇用促進法が改正されました。改正の大きなポイントは、法定雇用率の引き上げと事業主の範囲が広がったことです。

障害者雇用促進法とは

障害者雇用促進法の正式名称は「障害者の雇用の促進等に関する法律」です。この名称で明らかなように、障害者のある人にも働く場を促進するための法律です。

障害者雇用促進法が目指すもの

障害者雇用促進法では、障害のある人でも健常者とともに個々の能力や適性に応じた職に就いて、地域社会の中で自立した生活を送ることを目指し、そのために雇用側に一定の障害者の雇用を義務づけています。

このほかに、障害者に対する差別の禁止や障害者が職場で働くに当たっての直面するさまざまな支障を改善するための措置(合理的配慮の提供義務)を設け、支障を改善するための措置を講ずることも義務付けられています。

ルーツは「身体障害者雇用促進法」

昭和35年に制定された「身体障害者雇用促進法」が障害者雇用促進法のルーツです。昭和62年、現在の「障害者の雇用の促進等に関する法律」と名称が変わり、以後何回か改正されて今日にいたっています。

主な改正点をあげておきます。

●平成9年⇒知的障害者の雇用も事業主の義務となる。
●平成18年⇒精神障害者(精神障害者福祉手帳所持者)もその対象となる。
●平成28年⇒差別禁止規定や合理的配慮の概念が導入される。
●平成30年⇒法定雇用率が引き上げられる。

合理的配慮とは

これは、今回の改正以前の平成28年の改正で盛り込まれたものですが、障害のある人の障壁を取り除くために事業主に求められる以下のような配慮です。

●車いすを利用する方に合わせて、机や作業台の高さを調整すること。
●文字だけでなく口頭での説明を行うこと
●口頭だけでなくわかりやすい文書・絵図を用いて説明すること
●筆談ができるようにすること
●手話通訳者・要約筆記者を配置または派遣し、雇用主との間で調整する相談員を置くこと
●通勤時のラッシュを避けるため勤務時間を変更すること

年々増える雇用障害者

障害者雇用促進法が施行され、時代の変化に対応した改正が行われてきた結果、雇用障害者の数も年々増えてきています。

平成28年の厚労省の調査によると、雇用障害者数は47万4374人で、対前年4.7%増、 実雇用率1.92%で、対前年比0.04ポイント上昇です。

法定雇用率達成企業の割合は48.8%とこちらも1.6%上昇しています。

改正のポイント1 法定雇用率の引き上げ

法定雇用率とは

法律では、ある一定の規模の事業主は、全従業員に対して一定割合以上の障害者を雇用することを義務付けています。この割合を法定雇用率と呼びます。

民間企業や行政機関は法定雇用率を達成させることが義務づけられています。今回の改正で法定効用率は、平成30年4月1日から表1のように引きあがられることになりました。

なお、平成30年4月から3年後には、民間企業の法定雇用率は2.3%に引き上げられ、国等の機関も同様に0.1%引上げになります。

表1 平成30年4月1日からの法定雇用率

実雇用率とは

法定雇用率というのは、いってみれば義務付けられた目標値です。この目標値を達成していない事業主は、行政指導を受けることになります。

では、実際の雇用の現状はどうなっているのでしょうか。その時に用いられる指標が実雇用率です。

計算式は下記に示す通りですが、要は従業員の中に占める障害者の割合です。

着実に上昇している実雇用率

この実雇用率を事業主別に見たのが、表2です。平成28年の調査によると、民間企業における実雇用率は、わずかに目標の法定雇用率を下回っていますが、それでも対前年比でみれば、着実に上昇しています。国や公共団体はすでに目標値を達成しています。

表2 平成28年における実雇用率(カッコ内は対前年度の値)

改正のポイント2 事業主の範囲の変項

従業員50人以上から45.5人以上へ

今回の法定雇用率の変更に伴い、対象となる企業も変わります。今までは従業員50人以上が対象でしたが、45.5人以上に変更となります。さらに、平成33年4月からは、法定雇用率が0.1%に引き上げられることに伴い、対象となる事業主の範囲は43.5人以上に変更されます。障害者にとって、これは働ける職場が広がることを意味します。

障害者雇用推進者の選任

このほかに、事業主は以下のような義務が盛り込まれることになりました。

一つは、毎年6月1日時点の障害者雇用状況をハローワークに報告すること。一つは、障害者の雇用の促進と継続を図るための「障害者雇用推進者」を選任するよう努めなければならない、ということです。

就職の幅は広がった

今回の改正で、今後、積極的に障害者の採用活動を行う企業が増加することが予想されます。中でも精神障害者に対する雇用の増加が期待されています。ただし、精神障害者は、目に見えてわかる身体障害者や、できないことがある程度ハッキリしている知的障害者よりも、サポートの仕方が難しい面があります。

また、精神障害の場合、本人自身も自分の症状がどのようなものであるか、把握できていないケースが少なくありません。精神障害者が職場で働き続けるためには、事業主の側に本人の特性や能力に合った目標を設定して明確に指示することや静かな休憩場所を確保することなど、精神障害者に対する「合理的配慮」の整備が求められるところです。

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