ヘルプマークとは精神障害も対象?配布場所や悪用等の問題点も紹介


近年普及されつつあるヘルプマーク。名前をご存知ない方でも、一度は見たことがあるかと思います。駅などの公共交通機関や、バス内、役所など公的な場所には、ポスターが掲示されておりますので、現物を見たことがない方も、ポスターを通して見ているでしょう。

そんなヘルプマークについて今日は解説していこうと思います。

ヘルプマークって何?生まれは?

人工関節を使用している東京都議会議員の山加さんの提案によって東京都が考案・開発されたマークで、援助や配慮が外見からはわからない方が、周囲に配慮が必要なことを知らせることで、援助を得やすくなるように作成されたものです。

引用: ヘルプマーク 東京都福祉保健局

全国的に広がっている

東京都からはじまったヘルプマークは、全国的に広がりを見せており、東京都福祉保健局の調査によると1都1道2府37県(令和元年9月30日時点)で実施されています。日本全国で導入される日も近いかもしれません。

導入済みの都道府県

東京都・京都府・和歌山県・徳島県・青森県・奈良県・神奈川県・滋賀県・大阪府・岐阜県・栃木県・広島県・北海道・秋田県・愛媛県・島根県・兵庫県・鳥取県・静岡県・山梨県・三重県・香川県・長崎県・宮崎県・佐賀県・富山県・長野県・高知県・愛知県・埼玉県・岩手県・山形県・沖縄県・福島県・宮城県・山口県・石川県・茨城県・新潟県・群馬県

ヘルプマークの普及活動は個人やグループでも

ヘルプマークはどんな人がもらえるの?

ヘルプマークを受け取れる方は、義足や人工関節を使用している人、内部障害や難病の人、妊娠初期の人、精神疾患など、援助や配慮を必要としている人となっています。

目に見えない人が困っているという点がポイントで、足を骨折していて松葉杖をついている人が困っていたら助けようと思いますよね。白杖をつきながら歩いている人がいたら、目が見えないから道路の点字ブロックを空けようと思います。

しかし世の中には他者から見てわからない苦悩を抱えている方が大勢いるのです。

ヘルプマークが欲しいときは?

先に説明した都道府県では、各市区町村の障害福祉課などの役所で無料配布しています。お近くの役所に問い合わせて見て下さい。東京都では都営地下鉄線の各駅や、都営バスの営業所などでも配布されています。

マークは付けたくない人は?

中には障害を周囲に知られたくないと考える方もいます。そういった方には、ヘルプカードというものもあります。

引用:ヘルプカードが2種類に増えました! 江戸川区ホームページ

他にもSOSカードや防災手帳など、各自治体に応じたものがあります。

このヘルプカードはヘルプマークのストラップとは違い、外に出すものではなく、財布などに閉まっておき、困ったときに提示するという使い方ができるので、普段は周囲に知られたくないと考える方にオススメです。

知られたくないという理由で、いざ困ったときに助けを求められないということを避けるためにも、ヘルプカードを作っておく準備はしたほうがいいかもしれませんね。

ヘルプマークを見かけたらどうしたらいい?

ヘルプマークを携帯している人を見かけたら、基本的には3つのことをすればOKです。

1.電車やバスなどの公共交通機関で席をお譲り下さい

外見がどう健康に見えても、世の中にはあなたの知らない病気が沢山あり、あなたにとって、普通のことができない方がいます。

2.困っていれば声をかけて下さい

事故や突発的な出来事に対して、臨機応変に対応することができない方や、特定の動作が難しい人もいます。例えば人工股関節の方は、外見からは、ほぼ100%わかりません。人工股関節の人が前屈みになると脱臼する可能性があるのを知っていますか?足を組めないことを知っていますか?こういう特定の体勢を避けなくてはいけないのです。そうなると、電車で座っていて、物を足元に落とした場合、「ただ前屈みになって拾う」という体制が取れない人もいるのです。

3.災害時の避難

視覚障害、聴覚障害など状況判断が難しい人がいます。パニックや危機に対して迅速な対応が難しい方がいます。避難するための支援や、避難場所で声をかけたりなどの支援をしましょう。

見かけたらヘルプマーク(カード)裏を見る

ヘルプマークやヘルプカードの裏には、やってほしいことや、連絡先などが明記されていますので、助けるのはわかるけどどうしたらいいのかわからないという人は、裏面を読んでみましょう。そうすれば何をしてほしいのかがわかります。

ヘルプマークを持つときには裏面をしっかり書きましょう

あなたが困っているときに、どうしてほしいのか伝えることができればいいですが、困難時は伝える事が難しいときもあります。

ヘルプマークを受け取ったら、裏面には助けてほしい内容を必ず書きましょう。この時に書くスペースはそれほど大きくないので、あまり複雑ではない方がいいです。

①連絡先、②手伝ってほしい事

この2点を最低限として、シンプルにしておくことがいいと思います。

ヘルプマーク裏の記載例

・ここに連絡して下さい090-××××-○○○○

・かばんの白いポーチの○○薬を飲ませてください

・私は○○ができません。○○して下さい。

・かばんの手帳の最後のページに助けてほしい内容が書いています。(など別の場所を指示する。)

自分がヘルプマークを使ってもいいのか悩む

こうした悩みを抱える方も多くいると思います。自分の障害は軽い方だから、もっと重い人も世の中には大勢いるのに、使ってもいいのか・・・。と比べてしまって罪悪感をかかえる人がいます。

答えは「悩まずに使うべき」です。

このヘルプマークの目的は、障害が重症度を図るためのものではありません。障害を周囲に知らせて助けを得やすくするためのものです。そこに重症度は関係ありません。周囲に助けを求めなくてはいけない状況になりうるかどうかを考えましょう。

比べるのは自分よりも重症な人がいるかどうかではなく、助けを求める可能性があるかどうかなのです。

ヘルプマークの悪用の問題点

例えばヘルプマークは転売されているのをご存知でしょうか。無料で受け取って、メルカリなどのフリマアプリで転売されています。まさに悪用ですよね。

後はヘルプマークを免罪符だと考え、何をやってもいいと考える人もいるようです。こういう人が現れると、やはり一括りに、ヘルプマーク=悪と認識されがちになってしまいますよね。

でもこれって・・・

世の中悪い奴もいるとしか言えないですよね。何か新しいものができれば、悪用する人が現れるというのは変わりありません。

生活保護を必要としている人もいれば、悪用している人もいます。それと変わりありません。ヘルプマークを必要としている人もいれば、ヘルプマークを悪用している人もいるのです。

ここで大切なのは、悪用している人側に焦点を当てないことです。生活保護は不正受給している人がいて、働けるのに働かずに生活して悪用している人たちという一括りにしないことです。

生活保護は障害など様々な理由で、最低限度の生活を送れなくなった人への補償で、ヘルプマークは外見からわからない障害を持っていて、助けを必要としている人という括りでみましょう。決してヘルプマークが悪なのではなく、悪用している個人が悪なのです。

人はグループ単位で括りたがる

人間はグループ単位で括ることが好きです。好きというよりも括って認識してしまった方が楽なので、楽な方に流れます。

例えば、障害を身体、知的、精神と分けて括る人もいれば、普通じゃない奴、おかしい奴と一つで括る人もいます。更に病気ごとで細かく分ける人もいれば、さらに病気の重症度まで分ける人もいます。そうやって、人はそれぞれの感覚で他人を括って認識して生きているのです。

若者はゆとり世代と分けられ、高齢者は老害といって括られます。このように、大きな括りで大雑把に認識したがります。小さな括りで、個人で、括れる人はすごく少ないのです。

そういった理由で、世の中には、川崎事件、精神障害、犯罪者と分ける人も当然沢山います。そう認識してしまったほうが人間は楽だからです。

このように、まとめて括るような人には、ヘルプマークをきっかけに、きつい言葉を言われることもあるでしょう。「あぶないから近づいちゃダメ。」とか。

これは一人ひとりが自分のわからない領域に対して、大雑把な認識で括る癖を自覚し、個別に他人を認識することができれば、もう少し優しい世の中にかわるかもしれませんね。