PMS・PMDDの我慢できないほどの眠気、原因と対策は?

PMS、PMDDは、生理が始まる3日から10日前の高温期にあらわれてくる身体と精神の不調の総称です。だるさ、頭痛、便秘、イライラなど様々な症状があらわれてきますが、その中でどうしようもない眠気の症状は、働いている女性にとって深刻な問題です。

なぜPMSで眠気が生じるのか

我慢できないほどの昼間の眠気

典型的なPMSでは、生理の約1週間前から日中の眠気が強くなり、生理の開始とともに軽くなるパターンをとりますが、生理前の眠気は、抗いがたい眠気です。この時期に下腹部痛や頭痛、イライラ、憂うつな気分などの症状が強い人ほど、眠気も強くなる傾向にあります。このような強い眠気が2日以上続き、年に1回以上あるとPMSと診断されます。

夜になると不眠に悩む

PMSでは、昼間はどうしようもない強い眠気に襲われます。また、どんなに眠っても眠り足りないような感じです。ところが、夜になると全然眠れないということケースが珍しくありません。

このように過眠と不眠に悩み、睡眠の質が低下し、その結果疲労がたまり、昼間の眠気がますます強くなるという悪循環が繰り返されます。

睡眠と女性ホルモンの関係

PMSの原因ははっきりとは解明されていませんが、女性ホルモンが関与しているのではないかと言われています。

女性ホルモンには、主に卵胞から分泌される「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と黄体から分泌される「プロゲステロン(黄体ホルモン)」があります。

エストロゲンは、生理終了後の卵胞期に多く分泌され、排卵期を経た黄体期にはプロゲステロンが多く分泌されます。

生理前二週間は、プロゲステロンの最盛期にあたります。PMSはこのプロゲステロンが関与していると考えられています。

プロゲステロンと眠気の関係

プロゲステロンは、PMSの発症時期である黄体期に分泌量が増えます。プロゲステロンは、体温を上昇させる働きがあります。この体温上昇によって、眠気がもたらされると考えられています。

というのは、眠りは、体温と深い関係があるからです。私たちの身体は、体温が下がると眠くなり、体温が上がるときに目が覚めるシステムになっていいます。

体温の高低差のメリハリで、私たちはねむくなったり、目覚めたりするわけですが、黄体期になると一日の中で体温の高低差のメリハリがなくなり、昼間に眠気を催し、夜になるとなかなか寝付かれないという状態になるのです。

プロゲステロンが関与する機能性低血糖症

機能性低血糖症とは、血糖調節の機能にトラブルが生じ、血糖値が低くなってしまう状態をさします。機能性低血糖症になると眠気やだるさなど様々な身体の不調が現れます。

黄体期ではプロゲステロンがインスリンの働きに関与して、ホルモンのバランスが崩れて、機能性低血糖症に似た症状があらわれます。

イライラや抑うつ感といった精神症状のほかに疲れやすさや集中力の低下、過食や頭痛、めまいなどの症状があらわれてきます。低血糖症が悪化すると、PMSより重いPMDD症状を引き起こし、うつ状態になっていきます。精神症状が激しい場合は、専門医の診断を仰ぐことをおすすめします。

日中の眠気の対策方法

短時間の昼寝をする

仕事中なのに寝落ちしてしまうほどの強い睡魔に襲われます。この困った睡魔対策は、以下に述べるようなものがありますが、何はさておきお昼の休憩時間に昼寝するというのも一つの対応策です。

30分以下の睡眠でも十分に眠気をとる効果があります。眠気をとるよりまず昼寝です。

ガム等をかむ

ガムを噛むというのは、眠気を覚ます定番の方法です。何かを歯で噛むことで脳により多くの血液を送り、脳の働きを活発にします。

最近のガムには、眠気覚ましに特化したものもあります。自分に合った眠気覚ましのガムを用意しておきましょう。

会話をする

おしゃべりをして、笑いころげたりすれば、眠気は吹っ飛びます。ただ、仕事中におしゃべりをするわけにもいきませんから、お昼の休憩時間中ということになります。

そうすると、おしゃべりをすべきか30分でも昼寝するべきか、悩ましい選択になります。眠気の状態と状況によって、より効果的と思われる方を選択するということになります。

ハーブティー等を飲む

一番さりげなくできる眠気覚ましが、何かを飲むことです。飲み物の中では、ハーブティーの中には眠気覚ましの効果があるものもがあります。

レモングラスは、タイのスープ・トムヤンクンの香りつけに用いられますが、ハーブティーとして用いると、眠気覚ましにも効果があるとされています。

チェストツリーも良く知られています。ヨーロッパでは古くから生理痛などの婦人病の薬として用いられ、「女性のためのハーブ」といわれてきました。ハーブ先進国であるドイツではチェストツリーはPMSなどの治療薬としても認可されています。このほかペパーミント・ティーもお勧めです。

カフェインは避ける

眠気覚ましにコーヒーを飲む人がいます。確かにコーヒーに含まれるカフェインは脳を覚醒させる働きがあります。しかし、PMSの時はできるだけカフェインなどの刺激物を避けるべきです。

ちなみに、カフェインの多い飲み物としては、コーヒーのほか玉露、ココアなどがあります。カフェインが少ないのは、玄米茶、麦茶、黒豆茶などです。

夜にしっかり寝るためには

夕方以降は昼寝をしない

昼間にあんなに眠かったのに、夜になるとなかなか寝付かれず、眠っても途中で目が覚めてしまい、ぐっすりと眠ることができません。

昼間の眠気対策として、30分でもいいから昼寝する、ということを述べましたが、夕方以降の昼寝(うたた寝)は、避けるべきです。

眠いのを我慢して、眠気満杯で就寝時間を待つというようにしましょう。

ぐっすり眠れるための下準備

睡眠時には体温が下がります。眠る前に入浴するのが効果的なのは、ゆっくり湯につかって体温を上げたうえで、体温が下がるような状態になるからです。

このほか、以下のようなぐっすり眠るための下準備をすることをお勧めします。

●寝る前にストレッチなどで体をほぐす。
●ハーブティーやアロマなどでリラックスする。
●寝る2~3時間前はなにも食べない。
●枕や布団は自分に合ったもの、室温に合わせて変える。
●寝る前にスマホやTVを見ない、パソコンをしない。

決まった時間に起きる

朝の起き方も変えてみましょう。基本は、決まった時間に、眠くても起きることです。

起床したら、最低20分くらいは、太陽の光を浴びるようにしましょう。ゆとりをもった起床になりますから、当然、今よりも早起きになるでしょう。

そして、大切なのは、毎日、同じ時刻に起きる癖をつけることです。

日中の運動も効果的

休みの日には、ジョギングや散歩などで汗を流しましょう。運動は少し息が切れる程度で、数十分は続けられるような有酸素運動が効果的です。

日中に外で運動すると、日光浴にもなります。身体が適度に疲労すれば、睡眠の質も高まります。

PMS自体の緩和方法も要チェック

今回は、眠気対策を中心にまとめてきましたが、昼間の眠気はPMSの症状の一つにすぎません。このほかに、だるさ、頭痛、便秘、イライラなど様々な症状があらわれてきます。そうした症状を改善するためには、食事やストレス対策などを含む生活全般の見直しも必要になってきます。

PMSは、女性の宿病のようなものですから、PMS自体を根治させることはできませんが、症状を軽減させる手立てはいろいろとあります。自分の症状や状況に合わせて、もっとも効果的な方法を探し、自分流の手法を身に付けるようにしてください。

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