精神科看護師がすすめる!精神科配属の新人看護師に読んでほしいおすすめの本2019

はいどうも、サイコセラピー研究所です。 今日は精神科看護師がおすすめする精神科の新人看護師に読んでほしい本を紹介しようと思います。

私は精神科急性期に携わっているのですが、急性期に必要な知識といえば、何と言っても「薬物療法」です。精神科の薬は種類こそ少ないですが、非常に奥が深い分野です。それゆえに、精神科に入職して、薬がわからないと挫折する人も少なくありません。

そして、看護師なのに、そんなに薬を知らないと駄目なのと思う方もいるかもしれませんが、精神科急性期においては知らないと駄目と言えるでしょう。

理由としては、診療の補助をするためです。看護の役割は大きく2種類あります。「日常生活の世話」と「診療の補助」です。そして、精神科分野においては、薬の知識が診療の補助に繋がります。患者さんの状態と処方箋から、処方意図をくみ取ることができないと、診療の補助が難しいためです。診療の補助は点滴を刺して、処置をするだけではありません。医師の診療に必要な情報を提供することも役割の一つです。つまり、なぜその薬を飲まないといけないのか、飲むことで、どうなることを期待しているのかを知ったうえで、患者さんと関わらないと、医師の欲しい情報を集めることが難しいからです。意図的ではない情報収集は、薄っぺらい記録になります。

精神科領域にはどうして薬を飲まないといけないんですかという場面が多々あります。そこで、「先生が処方しているんですから飲んで下さい」と返す看護師に、看護して欲しいと思いますか?私なら思いません。

では精神科看護師として一皮むけるために読むべき本を紹介しましょう。

精神神経疾患ビジュアルブック 著:落合慈之、秋山剛

この本を1冊読めば、精神科疾患の基本はすべて抑える事ができると思います。ここに書いていないことは応用であったり、後回しでいい知識です。まずどういう病気があるのか、どういう症状で、どういう治療をするのかというベースを身につけましょう。内容も精神疾患が視覚的にとらえられるように、絵がたくさんあったり、症状がイラスト化されていて、工夫している点も優れた点です。看護学生御用達の「病気が見える」シリーズに近いでしょうか。私が知る限り病気が見えるシリーズに精神科バージョンはないので、基礎という面ではこの本をおすすめしています。シリーズのように、実際に臓器がどうなっていて、こういうように見えますよという本ではなく、内容が、疾患を広く浅くという意味で似ているという意味です。実際に読んだ新人看護師の評判もよかったです。

精神科の薬がわかる本 第4版 著:姫井昭男

ロングセラーの重版に重版を重ねた良い本です。きっとどの看護師も、この本を推すでしょう。それに売れてます。それだけいい本なんです。

では何がいいのか説明していきます。それは薬の知識が0から始められるという点です。右も左もわからないという人が読んでも、基礎がわかるという点が優れた点です。精神科の薬の本は、実は丁度いい塩梅のものがありません。看護本では物足りないと感じますし、医学本や薬剤師本だと、ベースの読むために必要とされる知識に違いがあるため、0から始められません。その点この本は、0から始められ、かつ丁度いいレベルまで知れるというものです。まさに一挙両得ですね。ただし、高いレベルではありません。冒頭で話した処方の意図をくみ取ることを、この本を読めばできるようになるかというと、なりません。あくまで専門的な本を読む前に読むと、今後読みやすくなるというレベルです。

メンタルステータスイグザミネーション2巻 著:武藤教志

精神神経疾患ビジュアルブックと、精神科の薬がわかる本を読めば、なんとなく精神科についていけるくらいになると思います。ここからが、一皮むける作業です。この本は、看護本ではありますが、内容は看護レベルではありません。ポイントは看護師が著者なのに、看護レベルの本ではないという点です。つまり、看護師が伸び悩む点や、理解できにくい点を抑えながら、レベルを上げてくれることになります。どうしても医学書や、薬学書は、ベース知識に違いがあるので、わかりにくい表現があります。一転、この本は看護師が書いているので、それがない。その素晴らしさは、数々の本を読んで、迷走した人にしかわからないはずです。回り道も大切ですが、どうせなら近道がいいですよね。この本を読めば、医師がなぜその薬を選ぶのか、どうしてリスパダールなのかというところまで到達できます。つまり、処方意図を読むことができるようになります。まさに一皮むけるための本と言えますね。

今年から精神科領域に入った方や、新入社員の方、これから一皮むけたいと思っている方は、是非この本3冊をいっきに買って見て下さい。

ちなみに、メンタルステータスイグザミネーションは、1巻もあります。1巻もじつはめちゃめちゃに奥深いです。ただ、1巻3,000円で、2巻は4,000円なんですよね。本にお金をかけてもいい人はどっちも買って下さい。遠回りして色んな本を買うくらいなら、これにお金をかけたほうがいいと思います。私はどっちも買ってほしいな。

【補足】ここに書いてあることはわかるけど、もっと詳しく理解したい。お金は惜しみません。という方は、ストール精神薬理学エセンシャルズを購入してみてはいかがでしょうか。13,000円くらいする本ですので、勇気がいりますよね。でも、このメンタルステータスイグザミネーションは、エセンシャルズから引用している情報も多いです。つまり、簡単にまとめる前の本でもあるのです。

援助者必携 はじめての精神科  著: 春日武彦

疾患や薬、症状がわかれば精神科看護ができるわけではないところが、精神科の深いところです。せっかく知識を得ても、コミュニケーション技術がなくては、効果を発揮できません。それは世間でいう話が得意な人を指すコミュ力が高いとは別物です。いくら友達を話すことが上手でも、精神科患者とはうまく話せません。それは意図的なコミュニケーション技術が必要だからです。ここからが精神科の面白いところです。

そういった精神科患者とのコミュニケーション技術などが、わかりやすく書かれた本が、はじめての精神科です。まさにタイトル通りに援助者必携です。この本の特徴は、なんといっても、精神科医療のリアルが書かれているからです。「相手の立場になって返答する」「妄想は否定も肯定もしない」なんて大雑把で、どこにも書けて、使えないような定型文は書いていません。現場のリアルがそこには書かれています。だからこそ使いやすいのです。「何かわからないけど、看護がうまくいかない。」「なんだか私ばっかり患者さんに怒られてる」なんて人は、きっとコミュニケーション技術が身についていないはずです。そんな方は読んでみてはいかがでしょうか。