【コラム-ADHD⑤】特例子会社とは?実際働いてみてよかったこと困ったこと

前記事:【コラム-ADHD④】職場に適応するためには

2018年度の精神障害者雇用義務化によって、現在より多くの方が障害者雇用で社会に出る機会が増えると考えられます。

精神障害者雇用義務化について詳しくはこちらの記事を御覧ください。
2018年4月の精神障害者雇用義務化によって何が変わる?

しかし現実問題として、精神障害を持つ方がフルタイムで一般就労を行うことは困難と考えられます。その為多くの企業が特例子会社を受け皿にするものと予想されます。コラムの5回目はまず特例子会社とは何かから、私自身が特例子会社に4年間勤めてよかったこと、困ったことをまとめてみます。

特例子会社とは

現在日本では従業員が50人以上の民間企業や地方公共団体は知的、身体、精神の障がい者持つ人を一定の割合以上(全社員の2%)雇用することを義務付けられています。(障がい者雇用促進法)

しかし特例措置として事業者が障がい者の雇用のために特別な配慮した子会社を設立して、厚生労働省の認可を得た場合、子会社で働く人を親会社に雇用されているものとみなして算定できます。

たとえば1000人従業員を抱える企業では最低20名の障がい者の雇用義務がありますが、20名を特例子会社の従業員とすることで法定雇用率をクリアすることができるのです。そのような要件を満たした子会社を特例子会社といいます。

実際働いてみてよかったこと

スタッフが障がいに対する知識と理解があり、定期面談がある

  
精神に障害を持つ人は、外観上に障がいを目立たせるものがあまり無いため、周囲から病気の理解を得にくいです。また発達障害を持つ人の場合、仕事をする中で、あることは難なくできるのに、あることに関して全く不得手なことがあるなど能力にばらつきがある事があります。

知識を持たない人が対応した場合、事情を理解できず当事者と対応した人の双方が疲弊してしまうことがあります。私の職場には精神保健福祉士の資格を持つスタッフの方が常駐しており、定期的な面談を行っています。

それぞれの障がいの特性に応じたアドバイスやより職場に順応する為の目標設定を共に行ってくれます。また自分自身の体調が良いと感じていても、専門スタッフの目からみて明らかに不調に見えることがあります。そのズレをすり合わせる面でも定期的な面談は大いに助かります。

障がいに対する配慮が受けられること

  
私は発達障害の特性上、細かい作業を長時間続けて作業することが苦手です。一般企業ではそれに対する配慮を受けることは難しいですが、私の場合、PCに向かって資料を作成したり、何かを調べるといった作業に集中できるので、その特性に合った業務を任されています。

通院の為にどうしても定期的に休暇をとらなければならないこともあります。会社側はその必要性を理解しているので従業員は休みを取ることに対し必要以上に気を使う必要がありません。 
    

障がいを持つ仲間が近くにいること

    
障がいを持つ方が一般就労を行った際、仕事上の辛いと感じた時や悩みを持った時、話ができる相手を周囲に見つけづらい可能性があります。職場での孤立感は精神的に大きな負担となります。一方で特例子会社の場合、周囲には障害を持つ仲間に囲まれている状態にあります。

仕事を続けてゆく中で何が辛いか、逆に何が楽しいかを共有できる仲間が周囲にいることはとても心強いです。普段の他愛ない会話が出来ることはもちろん、お互いの障害による得手不得手を理解して、カバーし合えば生産性は健常者に劣りません。

現在、各地方自治体が精神障害者同士のピアサポート事業を推進しています。「ピア」とは「仲間」や「共感」を意味します。それまで専門員が行っていた支援活動を精神障がいを持つ当事者が受け持つのです。同じ課題や体験を持つ当事者であれば専門的な支援員からでは得がたい安心感を得られます。

今後、精神障がいを持つ方が特例子会社に就労する上でピアサポーターの存在は重要性を持つでしょう。既に私の会社ではピアサポーターが活躍し、大きな貢献をしています。

実際働いてみて困っていること

月収が少ない

一番の問題は月に得られる収入が約10~12万円と少ないことです。これは週あたりの社員の平均的な勤務時間が週30時間、1日あたり6時間と短いことが原因です。しかし従業員自身が体調の自己管理ができかつ主治医の許可が得られている従業員の方は1日8時間、週40時間まで勤務時間を伸ばすことができます。

自分は出来ると思っていても、会社や病院からみれば難しいと判断されればそれまでなので歯がゆいところではあります。(無理をして体調を崩し出社できなくなれば本末転倒ですが)

将来が不透明

私が一番不安に感じることは、雇用形態がパートであることです。勤務態度に余程の問題がなければ一年ごとに契約は更新されますが、非正規雇用という立場は将来設計を行う際に大きな不安要素です。

まとめ

 
特例子会社で働いて良かったことをまとめると

・専門的なスタッフがおり、定期的な面談の機会が得られる
・障がい応じた適切な配慮が受けられること
・周囲に、悩み、辛さを共感できる仲間がいる

となります。逆に困っていることは

・勤務時間が短いため月あたりの給料が少ない
・正規雇用ではなく将来が不透明

となります。確かに給料が少ないことや非正規職員であることは不安要素ではあります。しかし障がいを持つ方が働く上でまず一番重要視しなければならないことは毎日継続して働き続けることです。

継続して働き続けるには周囲の配慮や人の力を借りることも大切です。特例子会社はその面でのサポートは充実していると言えます。毎日継続して働き続けられれば自分が人の役に立てることを実感することができ、自信を深めることができます。働く喜びを得ることで、次のステップへと繋げることも可能です。

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